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Channel: どたばたママ♪2児(中3+小4)の母日記
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「不思議な夜。」②

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「不思議な夜。」つづき


ショットバー?これからまだまだ家まであるし、
夜中に自転車なんて、怖いし、
すこしだけ、一杯だけ、カクテルとか、いいかな。
若い頃、よく行ったな。懐かしい。一人で入る機会もなかなかないものだし。

近くまできたが、その水色のバーらしいお店には、窓がなくて中も見えない。
私は吸い寄せられるように、店のドアに手をかけた。

おそるおそる、ドアを開けてみると、地下からの吹き抜けになっていて、
下に向けて螺旋階段がつけられていた。入り口に佇んで、見下ろすと、
案外多くの人が店内にいるのがわかった。
意外と広い空間が広がっている。

まっすぐに伸びたカウンターの中には、初老の男性のバーテンダーらしい人と、
キリッとした若い女性がひとり。 店内のテーブル席には数人の男性。
なぜかみな同じジャケットを着ている。
BGMには、スタンダードなジャズが静かにながれていた。

「すみません、カクテルとか、注文できますか?」
間抜けなことに、私は入り口に佇んだまま、おそるおそる尋ねてみる。
初老の男性が、驚くほど静かな落ち着いた声で返事をしてくれた。
「もちろんです。お客様は、このお店に認められた方ですので、
どうぞご注文ください。」

えっ?認められるとか、って何?どういうこと?
夜中すぎて、思考力が落ちているのだろうか、
言っている意味がさっぱり理解できない。

混乱気味の様子が伝わったのか、初老の男性が、言葉を足した。
「音楽が、止まらないので。 
ここのお店は、お客様によっては音楽が止まるかたもいらっしゃって…
そういった方には申し訳ありませんが、お引き取りいただいております。」
お店にとっての招かざる客?!
音楽がかってに止まるって!
お店自体が意志を持っているっていうことなのか。

「ご注文は?」
とりあえず、私はお店に受け入れられたようだった。
静かにジャズを聴きながらカクテルをいただけるなんて、
ちょっといい感じかも。
それにしても、店内のジャケットを着たみなさんは、お酒をのんでいない。
だけど注文を聞かれているし…どうしようかな。

このお店の水色のように、ブルーキュラソーの青色が美しい
「ガルフストリーム」にしようか、
さっぱりとした口当たりの「ギムレット」にしようか、
いつもならありえないほどに、迷っている。
一杯だけいただいたあと、
またこの真夜中を自転車こいで自宅まで行かなきゃならないんだな、
とため息をついたところで、、、




これ、さっきまで、見ていた夢でした^^
ここまで見て、目が覚めました。
ちょっと「世にも奇妙な物語」っぽくないですか?
ということで、小説仕立てで記事にしてみました


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